2020年10月14日水曜日

新型コロナウイルスのワクチン開発状況

ワクチン開発は難しい

2019年の12月に中国の武漢から広がった新型コロナウイルス。
今もって世界はこの脅威にさらされている。
やはりワクチンができなければ沈静化するのが難しいのだろう。

しかしワクチン開発には時間がかかる。
通常5~10年以上もかかると言われている。

ワクチンが十分な効果がなければいけないし、
また重篤な副反応も出る場合もあるので安全性も重要視されている。
副反応が高ければ開発はストップとなり、また最初からやり直すことになる。

それを裏付けるかのように
アメリカのジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は臨床試験で
「被験者の原因不明の病気のため、投与を一時的に停止した」し
新型コロナウイルスワクチンの臨床試験をすべて中断したと10月14日に発表した。

これより前の9月8日にイギリスでも
製薬大手アストラゼネカとオックスフォード大学も臨床試験(治験)を中断している。

こちらも治験参加者に副作用がでたためだが、
この中断はワクチン開発では、このような中断は通常のことらしい。
そして4日後の12日には、臨床試験が再開している。

アメリカのJ&Jも臨床試験を近々再開するかもしれないが
ワクチン開発は、やはりそう簡単にできるものではないようだ。

ワクチン開発に時間がかかる理由

調べたところ、ワクチンの治験は
第1相(P1)、第2相(P2)、第3相(P3)の3段階がある。

第1相は3カ月ほどかかり、初めて人に投与し、主に安全性を調べる。
第2相は6〜8カ月かかり、主に有効性や安全性、投与方法を調べる。
第3相も6〜8カ月かかり、有効性の検証で、
治験者も300人から500人となり、
良い結果が得られれば国に承認を申請。

もちろん治験前にも前臨床段階もあるし、
第3相・p3まできて効果がければ、何百億円の開発費が全て無駄にってしまう。

治験だけでも、最短で15カ月もかかる。

だからかロシアのようにまだ臨床試験・P3を実施している段階なのに
ガマレア研究所開発の「スプートニクV」を8月に承認するようなことが起きるのだ。

まだP3の段階で治験が全て終了していないので無謀の一言につきる。
もちろん安全性や有効性にはかなり疑問を持たれている。

国別、ワクチン開発状況

WHOによると今世界では、臨床試験に入っている新型コロナのワクチンは42種類。
最終段階であるP3に入っているのが10種類。

国別で言うとP3段階に入っているのは、
イギリスはアストラゼネカの1社、アメリカは4社、
中国は3社、ドイツが1社、ロシアはP3段階なのに承認されたガマレア研究所の1社である。

日本はと言うとまだp2とp1の間のp1/2の段階に留まっているアンジェスの1社だけとなっている。

ワクチン開発に見る、中国の脅威

このワクチン開発状況を見ると中国が予想以上に頑張っている。
もしかしたら人類の救済国は中国になるかもしれない。

中国がワクチン開発に成功すれば、アフリカ諸国や周辺国に惜しげもなく提供するだろう。
それ自体はにも悪いことではなく、むしろ賞賛されることだ。

そして2022年に中国・北京で開催される冬季オリンピックで
「中国がコロナから人類を救済した」と高らかに発することだろう。

しかしこの頃なの発生源は中国であり、
初期においてコロナの発生を隠ぺいしたことを考えれば、
所謂先進国・欧米諸国は、中国のそのような態度が面白くない。
中国に対して警戒心を高めるだろうが、
アフリカや東南アジアなどは、中国に追随していくのではないだろうか。

中国の後進国に対する投資は、
高利貸しのやり口だと非難されることが多々あるようだが、
貧しさから抜け出すことができたのも事実である。

中国は国連の安全保障理事会におけるアフリカ諸国の議席を増やすよう呼びかけてもいる。

これは国際社会において中国の発言力を強めるためだが、
世界を安定させていくには、この発言を無視することができなくなるだろう。

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